人魚姫 [本]

図書館でアンデルセンの人魚姫を読んで、驚いたことがある。自分が読んだことがある人魚姫は、だいぶ翻訳者によってカットされている。そのカットされてる内容が、アンデルセンからすれば、絶対にカットしないでほしいと思うような内容だと感じた。
1、人魚の寿命は300年、泡になって消えてしまう。有限の命
2、人間は死んでも、魂は天に昇り、また生まれ変わることが出来る、永遠不滅の命
3、尾ひれから変わった足は、血液が流れるたびに激痛が走る。歩くと、針の山を歩くほどの激痛がある。
4、太陽が昇り、泡になり、消えてしまった!と人魚姫本人が思っていたら、永遠不滅の命を授かるチャンスをもらえる。
5、翻訳者の言葉では、空気だったか風になり300年間人間の役に立つことをすることで、永遠不滅の命を授かる。

この5つが抜け落ちている。

現代の日本は宗教を毛嫌いする習慣があるので、カットされたのだろうが、アンデルセンは、唯物思想、マルクス、レーニンの社会主義には未来がないと!訴えたかったのだろう。

1、人魚は300年の寿命で死ねば終わり。というのは、唯物思想であり、霊の存在を否定する考え。
2、人間は、信仰心をもち、霊の存在を肯定し、神を肯定している考え。
3、人間は困難や逆境を越えることにより人間的に、霊的に向上し、仏心近づくという考え
4、人間は困難や逆境に負けず、信仰心をもって、愛に生き、与える愛で生きていけば、天国に帰れるという考え
5、たとえ、困難や逆境に負けてしまい、天国に行くことが出来なかったとしても、愛に目覚めて生きることで天国に帰ることが出来るという考え

5つの抜けている思想は、人間にとって、一番必要で大切なことを教えてくれている。絶対に削除してはいけない所であると分かってもらえると思う

北欧の神話 [本]

現在北欧の神話を読んでいる。オーディーン、ロキ、トールなど、一度は聞いたことがある神々の名前が出てくる神話。主としてヨーロッパ、ゲルマン民族を中心とした神話である。

世界の成り立ち、神々がどのように誕生したのかという所で、小人が誕生する記述がある。

氷の塊にムスペルヘイム(炎の国)から熱い風が吹きつけるうち、いつしかそれに命がやどりユミルという巨大な生き物が生まれた。ユミルが性質が悪いのでオーディン、ヴィリ、ヴェーの三人の神に倒されました。そのユミルの身体で大地、や太陽、月、あらゆるものを作りました。その間にユミルの身体が腐り、ウジのようにうごめく生き物が誕生、それが小人。小人には身体が黒く、ずる賢く、ウソつきな小人。白く光り輝き、美しく、気立てのよい、光の小人の2種類が誕生しました。とあります。

この時からすでに白人優位説、白人が一番素晴らしい人種だという思想が流れていると感じた。

神話というのは裏の取れていない歴史である。その神話を読めば、その民族がどのような民族であるかが分かる。もちろん、神話は作られている部分も多々あると思うが、そこに流れる民族の思想や考え方が、入りこんでいる事は事実である。

そう考えるとヨーロッパの民族は自分たちの民族が世界で一番と思い、肌の色が白ではない民族は、自分たちよりも劣るという、そうとう傲慢な思想の持ち主だった事が分かる。

民族学を学ぶ為に神話を読み始めたわけではないが、こんな読み方もあるのかと面白いなと思った。
タグ:神話

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